取手市/寺原小学校

コミュニティ・スクールを活用して地域とともにある学校を目指す

「笑顔あふれる寺原小学校」を教育目標にする取手市立寺原小学校では今年度、「交流」をテーマに教育活動に取り組んでいる。コロナ禍(か)で途絶えてしまった人との交流を復活させようと、昨年から始まったコミュニティ・スクールを活用しながら、とくに地域の人たちとの交流に力を入れ、「開かれた学校」を目指している。

子どもたちの登下校を地域がサポート

 地域や保護者が学校運営に参加するコミュニティ・スクールを昨年からスタートさせた同小。2年目となる今年度は、これまで以上に人との交流の機会を増やそうと取り組んでいる。

 同小では朝夕の登下校時、多くの地域の人たちが子どもたちを見守ってくれている。今年度は登校班会議にも参加してもらい、子どもたちと交流した。また、コロナ禍前に行っていた感謝の会も復活させるほか、教育活動の中で地域の人たちにどのようなサポートをお願いできるか検討し、積極的に地域との連携(れんけい)を図っていくつもりだ。

「ふれあいデー」で保護者や地域と交流

 毎年秋に開かれている「ふれあいデー」は、PTAが中心となり、地域の人も参加して企画(きかく)運営してくれるイベントだ。昨年は、輪投げや射的(しゃてき)、スーパーボールすくいなどを用意してくれ、子どもたちは各ブースをまわって楽しんだ。地域のマジシャンが技を披露(ひろう)してくれた手品コーナーや、地域の人が教えてくれたしめなわ作りやコマ回しも大盛況(だいせいきょう)だった。今年も11月の「茨城教育月間」に合わせて予定しており、準備が進められている。

三者で協議を重ねたグランドデザイン

 学校運営協議会で話し合いを重ね、地域の人や保護者とともに作り上げたという今年度のグランドデザインは、「めざす子ども姿」を「めざす教師の姿」「めざす保護者の姿」「めざす地域の姿」が支えているのが特ちょう的だ。だれが見ても分かりやすい目標をかかげようと、なるべくシンプルにし、「めざす地域の姿」として「子どもと積極的にかかわる地域」「学校・保護者とともに子どもを育てる地域」「子どもが生き生きと輝く自慢(じまん)できる地域」の三つを示した。

 「地域に育ててもらえる学校が理想」と話す校長。学校のことを地域の人に知ってもらおうと、地域の会合に出席したり、学校だよりを地域に回覧(かいらん)したりしている。三世代家庭も多い同小だからこそ「地域をよく知っている地域の人たちに学校運営に参加してもらい、より地域に根差した学校にしていきたい」と期待を寄せる。そして子どもたちが多くの人とのかかわりの中で、人として成長していくことを願っている。