つくば市/虹色(なないろ)学園

自分も相手のことも大切にし「幸せを実感できる」学校へ

つくば市立虹色(なないろ)学園は昨年、学園の森義務教育学校から分かれて創立した。小中学校がとなり合って建ち、中学生が小学生にタブレットの使い方を教えに来たり、小学生が中学生の発表を聞きに行ったりするなど交流が盛ん。小学校の教科の一部は、中学校の専門の先生が教えに来てくれて、より効果的な学習ができている。


スポーツフェスも9学年いっしょに

虹色学園の小中学校のグラウンドは一続きで、秋のスポーツフェスティバルでは9学年がいっしょに行い、練習でも本番でも学年をこえて協力し合う姿が多く見られる。
1年生と中学生による「ぼくらの大玉冒険(ぼうけん)記」は、最初は1年生が大玉を転がし、次は中学生がボールを持って運ぶという流れ。1年生が走るときコースを外れないよう、中学生が優しく寄りそう姿が保護者にも好評だ。
最後をかざる「団対抗(たいこう)リレー」は、1年生からスタートし、だんだん学年が上がって9年生までバトンをつなぐ。中学生が全力で競い合う姿は迫力(はくりょく)満点で、下級生のあこがれの的だ。

自分たちで考えてルールメイキング

同学園の教育目標は「みんなの幸せを大切にし、自ら考え行動できる児童生徒の育成」。子どもたちが自らつくる学校を目指し、児童会と生徒会がいっしょに学園のルールを決めたりしている。
その一つがグラウンドの使い方。9月からはドッジボールや追いかけっこなどに加え、サッカーも可能になった。子どもたちからの意見を基に体育委員会で話し合い、危険をさけるため遊ぶエリアを分けることで実現した。
勉強道具でもシャーペンを使いたいとの声に対し、メリットやデメリットを話し合い、高学年から導入できるようになった。「新しい学校なので、伝統を自分たちで作っていく楽しさがある。ルールは今後もアップデートしていきたい」と教務主任。

個別最適なやり方で自分から学ぶ学校へ

校舎に囲まれた中庭は、授業でも使われている。例えば1年生の生活科では、中庭で竹とんぼ、教室でこま回し、多目的室でメンコなど、場所をかえながらいくつもの昔遊びを体験する。
調べ学習では、調べるテーマや調べ方も人それぞれ。図書室へ行って一人で本を開く子や、タブレットを持って多目的室へ移動するグループもある。また算数では「つくばインタラクティブスタディ」を使って難しい問題をどんどん解いていく子や、教科書の基本的な問題を何度も解いて自分のものにしていく子など、ペースや進度もそれぞれに合ったやり方で進めている。
「子どもたちが自分から学びたいものを学び、興味を増やしていく学習を目指している。いろんなことにチャレンジできるようになってほしい」と教務主任は期待する。