守谷市/大野小学校

土や水の感触を全力で楽しむ伝統の「田んぼリレー」
5月27日(火)、守谷市立大野小学校で、米作りの学習の一環(いっかん)として、伝統の「田んぼリレー」が行われた。田んぼを走り回ることで土が細かくくだかれてやわらかくなり、代かきになるという。4年生に先生や保護者も加わり、全身どろだらけになりながら土と水の感触(かんしょく)を存分に味わった。
4年生が中心となり米作りの全工程を体験
米作りの中心は4年生。学校から歩いて10分ほどのところにある田んぼをフィールドに、種まきから代かき、田植え、稲(いね)かり、脱穀(だっこく)、もみすりまで、米作りのすべての作業を体験している。米作りを教えてくれるのは、地元の農家の高橋さん。同小で米作りを始めた25年前からサポートしてくれている米作りの先生で、「土の感触を楽しみ、土の力や水道ではない水の温かさを実感してほしい」と田んぼリレーを考案した。
田んぼリレーの前に、まず高橋さんから代かきについて、昔は人が道具を使って行っていたが、今はトラクターを使っていると説明。実際にトラクターで田んぼを耕すところを見せてくれた。
そしていよいよ子どもたちは田んぼの中へ。足をけがしないように中じきを入れてくつ下をはき、目にどろが入らないようにゴーグルをつけてスタンバイ。最初はおそるおそる田んぼに入り、よごれるのを気にしていた子どもたちだったが、いざリレーがスタートすると夢中でどろの中を走り、あっという間にどろだらけになった。足をとられて転ぶ子も多く、バトン代わりの麦わらぼうしも真っ黒。あちこちで歓声(かんせい)が上がり、子どもたち4チームに大人チームが加わった5チームで競って大いに盛り上がった。思いきり走り回った児童は「土はやわらかかったけれど、走ってみたら意外と走れた」「つかれたけど楽しかった。田植えや稲かりも楽しみ」と笑顔で話してくれた。
米作りを通して異学年交流も
4年生は米作りの全工程を体験するが、ほかの学年も4年生と活動し、1・2年生は種まき、5年生は田植えをいっしょに行った。今後、稲(いね)かりは6年生と、脱穀やもみすりは3年生と行う予定だ。このように同小では、全校児童がかわって伝統的に米作りに取り組み、収かくした米は各家庭に持ち帰って味わっている。
また今回は地元企業(きぎょう)の協力で、田んぼリレーの様子をドローンで上空から撮影(さつえい)した。校長は「田んぼリレーはたくさんの地域の人の協力で行うことができ、学校と地域がつながるきっかけにもなっている。今後も地域とともに、この伝統を引きついでいきたい」と話した。