守谷市/大野小学校

小学生新聞

米作りの全工程を体験して知る 苦労や喜び、感謝の心

 地域の人の協力で、20年以上も前から米作りに取り組んでいる守谷市立大野小学校。制限が多かったコロナ禍(か)を経て、今年度は4年ぶりに種まきから脱穀(だっこく)、もみすりまでの全工程を行うことができた。子どもたちは米作りの大変さや収穫(しゅうかく)の喜びを経験したのはもちろん、米作りを通してさまざまなことに興味や疑問をもち、学習の成果を「感謝の会」で発表した。

どろんこになって田んぼリレーや田植え

 米作りのスタートは5月9日(火)の種まき。1・2・4年生が参加し、「大野小協力の会」の人たちが用意してくれた育苗箱(いくびょうばこ)に土を入れ、その上に重ならないように種もみをまいて、土をかぶせた。

 5月30日(火)には代かき。土を耕して苗(なえ)を植え付けやすくするための作業で、始めに同会の人たちがトラクターで代かきの実演をしてくれた。その後は4年生25人による「田んぼリレー」。先生や保護者の大人チームも加わり、麦わらぼうしをバトン代わりに田んぼの中を走って競争した。田んぼの深さは子どものひざくらいまであるため、足をとられて転ぶ子どもが続出。みんなあっという間にどろだらけになり、最初は汚れることを嫌がっていた子も存分に自然とたわむれた。

 田んぼリレーの翌々日には、土がやわらかくなった田んぼで3・4年生が田植えを行った。機械で植える様子を見学させてもらった後に植え方を教えてもらい、田植えに挑戦した。子どもたちは横一列に並んで、ボランティアの人たちが持ってくれているひもにそって植えていった。

 そして青々と稲が育ってきた6月30日(金)には、4年生が除草作業を行った。手でおしながら使う昔ながらの除草機を使い、除草作業の大変さを実感。田んぼにいる生き物や周辺の植物などの観察も行った。

稲かり、おだがけ、脱穀 収穫の大変さを知る

 9月29日(金)にはいよいよ待ちに待った稲(いね)かり。カマでかった稲は数株まとめてワラでしばり、学校へ運んでフェンスにおだがけをした。かなりの重労働だったが、4・5・6年生が協力して行い、全部の稲をかり取った。

 半月ほど天日に干して稲が乾燥(かんそう)したら脱穀ともみすり。千歯こきやとうみを使い、昔ながらの方法でもみを落とした。収穫できた米は188キロ。全校児童がかかわって育てた米は大豊作で、全校児童に配って家庭で味わい「自分たちで育てたお米は格別」などの声が聞かれた。

田んぼについての疑問 調べて学びを深める

 何度も田んぼに通い、種まきからもみすりまでを体験した4年生は、田んぼの仕組みや田んぼにすむ生き物にも興味や疑問をもって各自が調べ学習も行った。そして11月24日(金)に米作りをサポートしてくれた「大野小協力の会」の人たちを招いて開いた「感謝の会」で、お礼を述べるとともに学習の成果を発表。同会の人たちのアドバイスや感想などももらい、より学びを深めることができた。

 「米作りの全工程を体験することで、子どもたちは楽しさも苦労も味わい、お米を大切にしたいという思いが強まった。さらに米作りに関連したさまざまな学びができ、良い経験になった」と4年生担任の先生。全校児童がかかわっている米作りは、子どもたちに大きな学びをもたらしている。