守谷市/高野小学校

起業家から未来を生き抜く力を学ぶアントレプレナーシップ教育

  「未来社会をしなやかに生き抜(ぬ)き、活躍(かつやく)する自律的な学び手を育てる」を目標に教育活動に取り組む守谷市立高野小学校で、8月27日(水)、キャリア教育の一環(いっかん)として、アントレプレナーシップにかかわる出前授業が行われた。女性の起業家をむかえ、起業にいたった経緯や会社経営についての講話、これからを生きる子どもたちに向けたメッセージに5・6年生が真けんに聴(き)き入った。


チャレンジ精神で1歩をふみ出そう

 アントレプレナーシップとは、「自らの枠(わく)をこえて行動を起こし、新たな価値を生み出していく精神」のこと。これを育むために、自ら社会課題を見つけ、課題解決に向けてチャレンジしたり、他者との協働により解決策を探究したりすることができる知識・能力・態度を身につける教育がアントレプレナーシップ教育だ。
 講師を務めたのは妊婦(にんぷ)の健康をサポートする会社「ママウェル」の代表、関さん。大学卒業後、助産師として働いていた関さんが大学院に入って学び直し、どうして起業することを思い立ったか、会社ではどのような事業をしているかなどの話に、子どもたちは真けんに耳をかたむけた。「安心して妊娠(にんしん)、子育てができるように手助けしたい」という思いで会社を立ち上げたという関さん。「起業家はだれでもなれる」「1円からでも会社はつくれる」「小中学生でも会社をつくっている人がいる」という話に子どもたちはおどろき、「会社をつくるのに勉強はしましたか」などという質問もあがった。
 最後に子どもたちへのメッセージとして「なんでだろう、こうなったらいいなという気持ちを大切にしよう」「好きなことややってみたいことはどんどんやろう」「難しいと思うこともどんどんやろう」と話し、「できることから1歩をふみ出そう。そうすれば新しい視野が広がるはず」としめくくった。子どもたちからは「とりあえずやってみることを大切にしたい」「難しいことにもチャレンジしたい」などの声が聞かれ、子どもたちの心にひびく有意義な学習となった。

PTAや地域とともに成長を見守る

 「未来をしなやかに生き抜く」ために多くの経験をし、成長する機会を増やそうと取り組んでいる同小。福祉(ふくし)の学習でボッチャの体験をしたり、茨城県近代美術館を訪れ対話型鑑賞プログラムを体験したり、市議会を見学したりするなど、今後も多くの体験学習が予定されている。また同小ではPTAや地域の人たちが協力的で、田植えやサツマイモほり、町探検の見守りや11月に行われる「赤っ腹まつり」でのブース出店など、学校生活の多くの場面でサポートをしてくれている。「子どもの学びを中心に保護者や地域と連携(れんけい)し、みんなで成長を見守っていきたい」と教頭は話している。