つくばみらい市/富士見ヶ丘小学校

富士見ヶ丘小

地域の人たちの力を活用楽しみつつ学ぶ「秋祭り」

 つくばみらい市立富士見ヶ丘小学校で、今年の「秋祭り」が11月18日(土)に開かれる。同小は開校6年目で、当初の秋祭りは、高学年がお化け屋敷(やしき)などを企画(きかく)し、低学年を楽しませる内容だった。コロナ禍(か)による中止を経て、去年から保護者が主体となり、たくさんのイベントが行われるようになった。

ハヤブサの急降下も校庭で見られる

 「秋祭りが今の形になったのは、地域とのつながりを大事にしたいから。保護者を巻きこみ、地域の人材や企業(きぎょう)の力を借りることで、開かれた学校にしたい」と、教務主任の先生。

 今年用意されたイベントは28種類。内容は理科の実験教室や工作、キャリア教育、防災、ゲームなど盛りだくさん。楽しみながら学べるものをたくさん取り入れてほしいという学校の要望を、実行委員会がかなえてくれた。

 地域人材の活用も特色の一つ。地域には特別な知識や技能を持つ人が大勢いて、その人たちに実行委員から協力を呼びかけて実現した。退職した校長先生たちの力も借りている。「鳥を学ぼう」ではハヤブサやフクロウを校庭で飛ばしたり、児童一人ひとりのうでに止まらせたりしてくれる。

企業の協力による外部見学ツアーも

 学校の近くにある有名企業への見学ツアーも、イベントに組みこまれている。その一つが高砂熱学イノベーションセンター。空調システムを専門とする同社の研究開発部門だ。展示エリアでは空調設備の歴史や未来を学ぶことができ、南極、熱帯、砂漠(さばく)の空気環境(かんきょう)を体験できるカプセルもある。

 もう一つは東鉄総合研修センター。鉄道関連工事を手がける東鉄工業の社員研修施設(しせつ)で、見学では線路のメンテナンスの様子などが見られるほか、踏切(ふみきり)の非常ボタンをおす体験をしたり、作業用車両を間近に見たりもできる。

学校が中心になって人と人とがつながる

 秋祭りには保護者の力が欠かせない。祭りを運営するのはPTA本部と本部の呼びかけで集まった約30人による実行委員会。保護者ボランティアも300人ほど集まり、各ブースの準備や当日の手伝いのほか、低学年児童のグループ行動の引率などもしてくれる。

 「去年の楽しかった経験を聞いて参加を決めた保護者も多い。この地域には自治会がないが、秋祭りのボランティアを通じて顔見知りになり、交流が深まった例もある。子どもの成長にもプラスになるのでは」と教務主任。

 「秋祭りは豊かな体験活動ができる学びの場。それを保護者と地域の方々が提供してくれる。地域のさまざまな人が集い、つながりながらそれぞれの力を発揮するような場に学校がなれたらいい」と教頭は話す。