取手市/久賀小学校

小学生新聞

コミュニティ・スクールとして地域・保護者と共に学校づくり

 取手市立久賀小学校では、今年度からコミュニティ・スクールを導入し、地域や保護者と共に学校づくりを始めている。これまでも地域とのかかわりは深く、とくに5年生は毎年、地域の農家の協力で田植えや稲(いね)かりなどの農業体験を行ってきた。今年も米づくり体験をし、10月には収穫(しゅうかく)した米をたいておにぎりを作り、感謝の会を開いて協力してくれた農家の人たちにふるまった。

地域の人の協力で田植えや稲かりを体験

 農業体験は学校近くに田んぼをもつ小谷野さんの協力で行われている。春には田植え体験。小谷野さんが田んぼを整え、苗(なえ)も用意してくれ、子どもたちは植え方を教えてもらって田植えを行った。秋には自分たちが植えた米の稲かり。カマの使い方を習い、カマで一株ずつかり取っていく。慣れない作業にとまどいながらも、次第にコツをつかみ、どんどんかり進めていった。コンバインで脱穀(だっこく)する様子も見せてもらい、米ができるまでの過程を体験を通して学ぶことができた。

 収穫した米は後日精米し、一人分ずつ小分けにして学校に届けてくれた。小谷野さんに大変お世話になった子どもたちは、小谷野さんを招待して「小谷野先生に感謝を伝える会」を開催(かいさい)。手紙を書いて感謝の気持ちを伝えると同時に、ご飯をたいておにぎりを作り、みんなでおいしく味わった。小谷野さんからは地域の昔の様子や、小学生時代の話なども聴(き)き、学びの多い貴重な時間となった。

町たんけんでしめなわ作りに挑戦

 2年生は「町たんけん」で訪れた神社で、ふだん見ることができない社務所の中を見学させてもらい、興味しんしんで総代の話に耳をかたむけた。また、総代に教えてもらいながらしめなわ作りにも挑戦(ちょうせん)。みんなで協力して、立派なしめなわを完成させた。

 ほかにも全学年を対象に、学年に応じた内容で命の大切さについて学ぶ「命の授業」を行ってくれたり、低学年に人形劇を披露(ひろう)してくれたりするなど、地域の人たちの協力で貴重な体験や学びを得ている。

学校運営協議会で共通の目標を確認

 今年度からコミュニティ・スクールを導入した同小では、これまでの地域とのかかわりを大切にして継続(けいぞく)しつつ、より積極的に学校運営にかかわってもらうための体制づくりを進めている。学校運営について話し合う学校運営協議会には、校長や教頭などの教職員のほか、PTA会長や公民館長、保育所長、安全ボランティアなど16人が参加。10月20日(金)の第3回学校運営協議会の前には、子どもたちの授業の様子も見学した。

 会合では来年度のグランドデザインとなる「目指す久賀っ子の姿について」話し合われた。「学校と地域、保護者が思いを共有し、同じ目標をもって子どもたちを育てていきたい」と校長。「子どもにもわかりやすい言葉で」「自己肯定(こうてい)感が高められる文言を」などの意見が出され、「認め合い学び合える子どもを育成したい」という思いで一致(いっち)した。  その後、学校と地域、保護者が協働活動をするための体制づくりについても意見が交わされ、コロナ禍(か)で途絶えてしまった地域とのかかわりを復活させていくことを確認した。コミュニティ・スクールとして学校と保護者、地域が同じ方向を向いて一体となるための土台づくりに取り組んでいる。