龍ケ崎市/川原代小学校

お茶を通じて礼儀作法を学び日本の伝統文化にふれる

龍ケ崎市立川原代小学校には、校舎の3階にたたみ敷(じ)きの教室がある。ふだんはフリースペースとして使われているこの場所で毎年2月、茶道教室が開かれる。指導にあたるのは地域に住む表千家不白流師範(しはん)。子どもたちはお茶とお菓子(かし)をいただきながら、礼儀(れいぎ)作法や茶道の精神なども学んでいる。

発達段階に応じて楽しく茶道を体験

川原代小の茶道教室は28年も続いている息の長い行事。2日がかりで6学年全部を茶席に招き、低学年はお茶をたててもらい、
3年生以上は自分でたてて飲むなど、学年に応じて指導内容もレベルアップしていく。

礼儀作法では、立礼や座礼などさまざまなおじぎの仕方や、姿勢を正すことの大切さなどを学ぶ。
「礼に始まり礼に終わるのが茶道。お茶を通じて、人としての基本であるあいさつや礼儀作法を学び、人生を豊かにしていただきたい。
小学生は教えたことをすぐに吸収し、大きくなっても覚えていてくれる」と師範。

例えばよその家を訪問したとき、お茶やお菓子を出されてもいきなり手を出すのではなく、
「どうぞ」とすすめられてから手をつけるのがマナー。こうしたマナーを知っていれば、どこへ行ってだれと会っても堂々としていられるはずだ。

また師範は、同小で毎年11月に開かれる「川っ子ふれあいまつり」でも、子どもたちにお茶をふるまっている。

多様な体験を提供川原代ふれあい協議会

同小では、市の「子どもが主役!魅力(みりょく)ある学校づくり推進事業」の補助金を活用し、稲作などさまざまな体験活動を実施(じっし)している。また、川原代ふれあい協議会の全面的な協力のもと、「川っ子ふれあいまつり」では、ベーゴマや竹馬などの昔遊びを体験し、地域の人たちとふれあえる三世代交流を実施している。

同協議会では、その他にも、花いっぱい運動、夏休みのサマーキャンプや夏まつりなど、子どもたちのために毎月のように行事をもよおしている。
1月には、小正月の行事「ならせもち・鳥追いまつり」に子どもたちを招待し、
紅白のもちを木の枝にさしてかざったり、きなこもちや雑煮(ぞうに)などにしてつきたてのもちをふるまったりしている。
「今は子どもたちが自然や伝統文化にふれる機会が少なく、これほど多様な体験ができるのは大変ありがたい。
実感をともなった学びにつながっている」と、教頭。  

同協議会では毎年春と秋に、校庭へ高所作業車を持ちこんで、植木の手入れもしてくれる。
以前は学校に人がいない日曜日に行っていたが、その様子を見せることで子どもたちに感謝の気持ちを育んでもらおうと、
今はあえて平日に実施してもらっているそうだ。