土浦市/右籾小学校
緑が広がる校庭でのびのびと 右小グリーンプロジェクト
土浦市立右籾小学校の自まんは、緑のじゅうたんが一面に広がる芝生(しばふ)の校庭だ。地面が天然の芝生におおわれているため、転んでもけがをすることが少なく、夏場の温度を下げる効果もあるという。縦割り班活動の盛んな同小では異学年間の交流も多く、休み時間になると校庭のあちこちに笑顔の輪が広がる。芝生の上でねころんだり、はだしでかけまわったり、子どもたちはのびのびと、思い思いの時間を楽しんでいる。
校庭で全力おにごっこ
笑顔が広がる休み時間
広さ約5千平方メートルの校庭全面を芝生化する取り組みは2009(平成21)年度より続けられている。当時の市議会議員ら地元有志が中心となって「グリーンプロジェクト」を発足し、校庭に芝の苗(なえ)を植えたのが始まりだ。それ以降、水やりや肥料まき、芝かりなど芝生の保全管理は地域の人たちが担っている。
「年間を通して手間のかかる作業を長年続けてもらい、感謝の気持ちでいっぱい。そのおかげで子どもたちがのびのびと遊ぶことができている」と、教頭。「転んでも痛くない」と思いきり走り回れるだけでなく、土の地面にくらべてグリップが利くため、走力のアップも期待できるという。
セカンドキャリアを教育と地域交流に活用
芝生の手入れだけでなく、スクールボランティアの取り組みにおいても同小と地域とのつながりは深い。これは、家庭科や図工の実習指導やクラブ活動のサポート、美化活動などに地域の人たちが参加する取り組みで、昨年度より始まったコミュニティ・スクールの一環(いっかん)として行われている。現在50人ほどのボランティアが活動しており、ピアノの演奏やミシンかけ、スポーツ指導など、得意分野を生かして子どもたちとかかわっている。
縦のつながりによって学校全体が仲良しに
校長が「中規模校という特色を生かし、人と人の絆(きずな)づくりを大切にしていきたい」と話す通り、同小では地域との交流に加えて異学年交流にも力を入れている。1・2年生の教室の間に6年生の教室を置く教室配置の工夫もその一つで、たとえば給食の時間に6年生が1年生の教室を訪れて配ぜんを手伝う光景は同小の日常だ。「ひざをすりむいた児童を保健室へ連れて行ったり、休み時間を過ぎても遊びたがる児童に声をかけたり、上級生が積極的に下級生の世話をしている姿がたのもしい」と目を細める校長。遠足へ出発する1年生を上級生たちが校庭や教室の窓から手をふって見送る、ほのぼのした光景にも仲の良さが表れている。