かすみがうら博士 答えと解説

【問1】㋒ 天王崎

天王崎(旧麻生町)は1974年に閉鎖(へいさ)。かつての霞ヶ浦沿岸には砂浜が広がり、10ヵ所以上の遊泳場があった。水は透明(とうめい)度も高く、多くの人々が訪れていた。だが、私たちの流す生活排(はい)水、水害や塩害を防ぐための護岸工事や水門の設置などで、だんだん水質は悪化していった。現在も天王崎には人工的な砂浜が造成され、泳ぐことが可能になっている。砂浜には水の浄化作用があることがよくわかる。ただ、この夏は霞ヶ浦全域でアオコの発生がひどく、残念ながら天王崎も泳げる状況とはいえない。(一社)霞ヶ浦市民協会では夏に湖水浴を楽しむイベントを開さいしているが、今年は中止となった。湖の水質はいろいろな原因で変わってしまうが、その原因をたどってみることも大事なことだろう。

【問2】㋐ 世界湖沼(こしょう)の日

8月27日は、滋賀県琵琶湖で第1回世界湖沼会議が開かれた日。2024年に国連総会で採たくされ、2025年から施行。世界各国や各機関が湖沼の生態系を維持(いじ)・保全・再生していくことを目的とする。湖沼の生態系の維持管理は、もはや自国だけでは解決できず、各国が協力して取り組む必要がある。原因は様々だが、地球温暖化、気候変動などにより、水温の上昇(じょうしょう)がもたらす水生生物などへの影響(えいきょう)は大きな問題となっている。世界湖沼会議の始まりは日本ということも覚えておこう。

【問3】㋑ 9月1日

霞ヶ浦のよごれがひどくなった1982(昭和57)年9月1日、茨城県は水をよごさないための条例を出し、その日を「霞ヶ浦の日」と定めた。霞ヶ浦の水質が悪くなった原因のひとつには、家庭から出る生活排水のよごれがあげられる。油ものや生ごみをそのままシンクに流したり、台所やふろ場、洗たく場で洗剤(せんざい)を多く使ったりすると、浄水(じょうすい)場で処理しきれないことがある。また、台所やふろ場、洗たく機から出る水と、トイレから出る便や尿は、通常は下水道を通り処理施設に流れるが、下水道を敷設(ふせつ)・接続していない家もある。その場合は、家の敷地内にトイレからの排水だけを処理する浄化槽(単独処理浄化槽)を設置し、ほかの排水は近隣の河川や用水路に直接流すことになる。河川や用水路の水は、そのまま霞ヶ浦に入ってしまうため、湖の水質は悪化してしまう。
霞ヶ浦の水をきれいにするには、まずは家庭から出る水に気をつけなければならない。ちなみに東京都は昔、水道水がまずくて飲めないほど水質が悪化していたが、都内の全ての家が下水道に接続した結果、ペットボトルの水になって売られるほどの、きれいでおいしい水になった。多摩川にもアユがもどってくるなど生態系も回復し、目に見えて水質が改善した。
茨城県も、下水道につないでいない家はできるだけ早く接続して、単独浄化槽(じょうかそう)の家は合併処理浄化槽(トイレとその他の家庭排水を一緒に処理する浄化槽)に転かんするなど、改善が望まれる。ただ、接続にはお金がかかるため、茨城県では森林湖沼環境税活用の一環として接続への補助金制度が条件付きで利用できる。ぜひ活用してほしい。家の外に出た水は自分には関係ない、と思わず、霞ヶ浦に流れる水がやがて自分たちの水道水として返ってくることまで考えよう。