かすみがうら博士 解説

【問1】㋑ ハゼ

霞ヶ浦の漁師さんたちは、ヌマチチブ、ヨシノボリ、ウキゴリ、ジュズカケハゼ、アシシロハゼなどのハゼの仲間をゴロと呼ぶことが多い。
ハゼの仲間は胸ビレが吸ばんのようになっていて、水そうなどに入れるとガラスにピタリとくっついているのがわかる。
ちなみにヌマチチブは気性が荒く、オス同士を一緒にするとケンカして共食いをすることもある。霞ヶ浦のハゼの仲間は16種類も記録されていて、佃煮などにも加工される。

【問2】㋒ つくば霞ヶ浦りんりんロード

桜川市岩瀬から筑波山麓、土浦を通り、霞ヶ浦(西浦)を一周できる全長180キロメートルの自転車専用コース。
2016年に完成し、付近にはレンタサイクルや休憩所もある。
主に筑波山の裾野と霞ヶ浦沿岸に敷かれ、景色も良く、起伏も少ない平坦な道が多いことから、初心者でも安心して走れるコースとして楽しめる。
2019年には、国が認定する「ナショナルサイクルルート」に登録され、サイクリングロードとして全国的にも知られるようになった。
サイクリストたちの玄関口でもある土浦駅にはメンテナンス機能を持つ店舗・施設(しせつ)があり、自転車持ち込みの飲食・休憩・宿泊も可能。
また、土浦港のマリーナ隣りにある「りんりんポート土浦」でも休憩ができるほか、キット等の自販機も置かれている。
大人のひとと相談しながら、安全対策と準備を十分ととのえて、無理なく、ゆっくり走ってほしい。
ナショナルサイクルルートは、ほかに「ビワイチ(滋賀県)」「しまなみ海道サイクリングロード(広島県、愛媛県)」が同時に認定され、
のちに「トカプチ400(北海道)」「太平洋岸自転車道(千葉~和歌山)」「富山湾サイクリングコース(富山県)」が認定されている。

【問3】㋐  9月1日

霞ヶ浦のよごれがひどくなった1982(昭和57)年9月1日、茨城県は水をよごさないための条例を出し、その日を「霞ヶ浦の日」と定めた。
霞ヶ浦の水質が悪くなった原因のひとつには、家庭から出る水のよごれがあげられる。
油ものや生ごみをそのままシンクに流したり、台所やふろ場、洗たく場で洗ざいを多く使ったりすると、浄水場で処理しきれないことがある。
また、台所やふろ場、洗たく機から出る水と、トイレから出る便や尿(にょう)は、通常は下水道を通り処理施設(しせつ)に流れるが、
下水道を使わずに家の敷地内にトイレからの排水だけを処理する浄化槽(じょうかそう)(単独処理浄化槽)を設置し、
ほかの排(はい)水は近隣の河川や用水路に直接流している家も、県内にはまだある。
河川や用水路の水は、そのまま霞ヶ浦に入ってしまうため、霞ヶ浦の水をきれいにするには、まずは家庭から出る水に気をつけなければならない。
ちなみに東京都は昔、水道水がまずくて飲めないほど水質が悪化していたが、
都内の全ての家が下水道につないだ結果、ペットボトルの水になって売られるほどの、きれいでおいしい水になった。
多摩川にもアユがもどってくるなど生態系も回復し、目に見えて水質が改善した。
茨城県も、下水道につないでいない家はできるだけ早く接続して、単独浄化槽(じょうかそう)の家は
合併処理浄化槽(じょうかそう)(トイレとその他の家庭排水を一緒に処理する浄化槽(じょうかそう))に転換するなど、改善が望まれる。
ただ、接続にはお金がかかるため、なかなかむずかしいケースもある。
現在、茨城県では森林湖沼(こしょう)かん境税活用の一かんとして接続への補助金制度(県)が条件付きで利用できるので、未接続のところではぜひ活用してほしい。
家の外に出た水は自分には関係ない、と思わず、霞ヶ浦に流れる水がやがて自分たちの水道水として返ってくることまで考えよう。