つくば市/みどりの学園義務教育学校

令和12年度より小学校での全面実施(じっし)が予定されている次期学習指導要領では、教科の授業時数を各学校の裁量で増減できる「調整授業時数制度」の導入が検討されている。

 つくば市立みどりの学園義務教育学校は今年度、その新制度を先行して実践(じっせん)する「サキドリ研究校」に指定された。同校では、従来の教育課程を独自に組みかえる取り組みにより、探究的な学習のさらなる充実(じゅうじつ)を図っている。

余白を生み出し、活用 独自の教育課程を実現
 調整授業時数制度の主なねらいは、授業時数の柔軟(じゅうなん)な配分によって、教育の質を向上させるとともに児童生徒および教職員の「余白創出」を目指すことだ。同校では、生まれた余白をつくばスタイル科の時間増にあてるなどしている。
 具体的な取り組みは、7から9年生の後期課程では各教科の授業時間を50分から45分へ変えることで週3時間分の余白を生み出す。1から6年生の前期課程においては、各教科の年間計画を見直して工夫し時間を圧縮することで各教科のコマ数を調整する。こうして生まれた余白を、たとえばディスカッションやインタビュー活動などにあてることで、興味や問いをより深く探究する時間を確保できるようになった。
 また、個人探究では、一眼レフの使い方やヘアメイクの手法を学ぶといったユニークなテーマもあり、地元企業(きぎょう)らと連けいした出前授業や企業展でのプレゼン体験などの校外活動もより活発になった。これにより、児童生徒からは「やりたいことが実現できている」「本物の学びにふれている実感がある」といった声があがっているという。

デジタルで世界を広げ生きた学びを大切に
 同校はICTやDXといった先進的な取り組みでも注目を集めてきたが、「今後もデジタル化を推進する一方で、実体験の機会をより大切にしていきたい」と副校長。たとえば、虫眼鏡で日光を集めて紙をこがす実験は、その様子や原理を動画で学ぶことはできても、実際のにおいや熱を感じることはできない。「五感と結びついた経験こそが生きた学び。知識としてもっていても実体験がなければ自分ごととしての課題発見や危機意識につながらない」とし、デジタルの世界で完結させないことが大切と言葉を続ける。
 目指す姿は、デジタルを介(かい)して豊かな学びが広がる毎日だ。余白を活用した探究活動と、観劇や楽器の演奏、書道体験などのリアルな経験や感動を通じて、みどりの学園の子どもたちはいきいきとした学びの中で成長していく。