守谷市/守谷小学校

小学生新聞

1人1台の端末で実現する
「守谷型ラーニングスタイル」

 1人1台のタブレット端末(たんまつ)を学力向上に生かしていく「守谷型ラーニングスタイル」を実践(じっせん)している守谷市。守谷市立守谷小学校でも端末は学習ツールの一つとして定着し、端末を活用した学びを展開している。子どもたちは毎日家に持ち帰り、家庭学習にも大いに役立てていて、新しい学びのスタイルが確立されてきている。
四つの目的で
端末を効果的に活用

 端末を「探求」「協働」「ふり返り」「定着」の四つの目的で活用し、学力向上につなげる「守谷型ラーニングスタイル」。同小でも端末を当たり前の学習ツールとして、授業や家庭学習に役立てている。
植物の生長の様子やグラウンドで見つけた虫の写真をとって、観察記録をまとめたり、体育の授業では自分の動きを動画にとって確認し、お手本と比べて自分の動きを修正したりする。デジタル教科書として、家庭科のボタンの付け方や書道の授業で筆の動かし方を動画で学ぶ。社会科の授業で資料を調べたり、理科の授業で台風の動きを画面上で確認したりすることも、端末があれば容易にできる。
 高学年になるとスキルもアップし、活用のはばもさらに広がる。社会科の学習では、写真やグラフをはり付け、文字を打ちこみ、見やすいようレイアウトを工夫して、学んだことをそれぞれの端末にまとめ、できた資料をクラスのみんなで共有する。各教室に1台ずつ配置された電子黒板には、子どもたちの端末の画像が表示され、情報を共有したり、電子黒板に提示した資料を各自の端末に送ったりするなど、協働学習もスムーズに行っている。
学校と家庭をつなぎ
学習のはばを広げる

 同小では、「計算ドリルを3回」といったノルマの決まった宿題は出さない。漢字や計算など反復練習が必要な課題は、一人ひとり習得スピードが異なるため、「守谷型eラーニング」などを活用して各自で進める。端末を利用することで個人に適した学習を選たくできるため、自分の学力や興味によって課題を見つけられ、主体的な学びが可能になる。
 また翌日の予定は連絡帳代わりに先生が端末に送るほか、1週間の学習予定も提示し、子どもや保護者が前もって授業の内容を把握(はあく)して、準備や予習に自主的に取り組めるようにしている。
 一方で、予習として調べ学習などを宿題として出し、授業では子どもたちが調べてきた内容をもとに授業を展開する。個人で学んだことをみんなで共有し、授業では主体的・対話的で深い学びができるようになる。端末を家に持ち帰って自分の課題に取り組むことで「定着」を図るとともに、このような「反転学習」も可能になり、学びのはばを広げている。
デジタルとアナログ
最適な学習法を選たく

 ICTを積極的に活用している同小だが、「ICTを使うことが目的ではなく、端末は学習道具の一つにすぎない」と教頭。デジタルとアナログは学習の両輪であり、デジタルが適した学習ではデジタルを使い、アナログのほうがよい場面ではこれまで通りの学習法で学ぶ。同小の特色である辞書引きや名文暗唱も継続(けいぞく)して行われている。目的は学習の質を高め、学びを定着させ、学力向上を図ること。そのために何が最適かを考えて学習方法を選たくしている。「一番大事なのは、子どもを主体として最適な学びを提供すること」と強調する校長。そのためのツールの一つとして、端末が大いに活用されている。