土浦市/下高津小学校
学校も心もきれいにみがいて 目指せ、ぴかぴかのしもたかつ
各学校において、教育理念や目指す姿などを明確に示すために策定されるグランドデザイン。土浦市立下高津小学校では、子どもの「自己有用感」を育てることを中期目標にかかげ、日々の授業や学校生活の中に「人の役に立つ喜び」や「だれかのために自分の力をつかうことの素晴らしさ」に気付く機会を設けている。
だれかの役に立つ喜び 日常に気付きの場を
自己有用感とは、他者から認めてもらい、必要とされることによって自分の存在意義を感じること。「自己肯定(こうてい)感と言葉は似ているが、自分以外のだれかとのかかわりによって生まれる感情という点に大きなちがいがある」と話す教頭。「人に喜んでもらうことが自分の喜びになることを知り、その体験によって豊かな心や将来をたくましく生きる力が育まれることを願っている」と言葉を続ける。
そのため下高津小では、すべての教育活動の中で自己有用感を育てる場を設定することを各教員が意識するとともに、子どもたちのお手本になる行動を強く心がけている。
つながり、広がる自主的な活動の輪
その一つが、自発的に行われる清そう活動だ。教頭をはじめ、教職員が校内や校庭をそうじする姿を見て、子どもたちも自然と手伝うように。「きれいな学校でみんなをむかえたい」と、6年生の子どもたちが登校後に昇降口や階段、ろう下のはきそうじをする光景が毎朝の日常となった。
また、各学年の上ばきを整とんしたり、委員会活動の手伝いに積極的に手を挙げたりと、校内全体にボランティア活動の輪が広がっている。合言葉は「自分の力を人や集団のために使おう」だ。
きれいは気持ちがいい 笑顔に満ちた毎日を
「雨のあと、落ち葉ですべって危なかった」「通学路にゴミが捨てられていていやだった」と、子どもたちは気付いた場所をだれから言われるでもなくきれいにする。たとえば、4年1組の児童は木曜の昼休み、前の時間に使った図工室のそうじを始めた。子どもたちは『クリーン下高津株式会社』と名乗り、担任を社長と呼ぶなど、楽しみながら活動を続けている。
「きれいになると気持ちがいい」「ありがとうと言ってもらえることがうれしい」と、まさに自己有用感を体感している様子の子どもたち。美化の精神が一人ひとりの心に息づき、学校全体にいきいきと広がっている。