水戸市/浜田小学校
地域といっしょにつくる浜田小コミュニティ・スクール
水戸市下市地区の商店街近くに位置する水戸市立浜田小学校は、今年創立150周年となる歴史ある学校。カエルが生息していた田んぼに学校を建設したことから、カエルを大切にしていこうと学校のシンボルにして親しんでいる。同小では、地域・保護者・学校が一体となって、子どもたちを育てる取り組みが行われている。
地域と共に子どもたちを育てる
同小の教育目標は、地域の「もの・人・こと」とかかわって、「みんな・明るく・元気に・楽しい」学校。その実現の大きな力となっているのが、浜田小学校コミュニティ・スクールで、学校内だけで子どもたちを育てるという意識を変えていこうということからスタートした。「時代が大きく変わっていく中で、学力をふくめて子どもたちの生きる力を養うために、先生たちの視点だけでなく、地域のいろいろな人とかかわることで視野を広げ、バイタリティやコミュニケーション能力が身につくようにする。地域社会と共に子どもたちを育てていくということが、コミュニティ・スクールのコンセプトになっている」と教頭。商店街や歴史遺産など、地域の資源を活用した学校づくりが、地域の人たちの協力で進められている。
四つのプロジェクト委員会が活動
学校運営協議会がコミュニティ・スクールの中心となり、地域連携(れんけい)プロジェクト推進のために四つの委員会が活動している。
商店街・職人プロジェクト委員会は、商店街を中心とした事業計画と運営を行い、ハミングロード・マラソン大会やハミングロード・ハロウィーンなどを開催(かいさい)。歴史・自然プロジェクト委員会は、歴史や自然環境(かんきょう)を中心とした学習を行い、備前堀で灯ろう流しを行ったり、学校周辺の歴史について同小の元校長先生に話をしてもらったりしている。子育て・交流・祭プロジェクト委員会は、地域の伝統文化に基づいた学習支援(しえん)を行い、地元の下市タウンフェスティバルに子ども神輿(みこし)で参加している。子ども育成プロジェクト委員会は、健全な育成のための交流事業として、3年生以上を対象に宿泊をともなったリーダー研修会を開き、段ボールハウスの組み立てなどを体験した。
地域に見守られ地域への愛着が育つ
「地域の人も協力的で、いろいろな行事ができるので、子どもたちも地域への愛着が育っている。相手のことを思いやりながら、行事を通してみんなで楽しく過ごし、共に成長してほしい」と話す教頭。地域・保護者・学校で子どもたちを育てていく体制を、さらに広げていくことが今後の目標だ。