龍ケ崎市/龍ケ崎小学校
適切なお金の使い方や貯め方など 探究的な学習で学ぶ「金銭教育」
龍ケ崎市立龍ケ崎小学校では昨年度から金銭教育に重点的に取り組んでいる。各学年がさまざまな教科に関連付けながら、あるいは修学旅行などの場を通じてお金の使い方について考え、それによりお金や労働の価値を知り、感謝と自立の心を育て、人間形成の土台づくりとしようという活動だ。11月17日(金)には研究発表会として公開授業も行った。
身近な買い物などにひそむ危険を学ぶ
6年生は総合的な学習の時間に、働くことの意義やお金の大切さについて、キャリア教育の要素も交えながら学んでいる。働くことで報酬(ほうしゅう)が得られ、自分の生活を成り立たせることができる一方、気を付けないと、せっかくかせいだお金をむだに失うようなリスクも社会にはひそんでいる。
公開授業では通販(つうはん)、誇大(こだい)広告、課金の三つの場面で、どんな危険があるかを考えた。通販については「本当に安いかどうかわからない。お金をはらっても商品が来ないかもしれない」、誇大広告では「返品できないのがあやしいと思う。買った人の感想は、本当に買った人じゃないかもしれない」などの意見が出た。
ほしいも販売に向け各チームが計画発表
4年生は勤労・販売(はんばい)体験として、自分たちで育てたサツマイモをほしいもに加工し、授業参観の日に販売する予定。公開授業では「たくさんの人を笑顔にするほしいもを作ろう」という目標に向かって、管理・製造、販売、デザインの各チームがそれぞれの計画を発表し、より良い案になるよう質問や改善点などを出し合い、クラス内で意見交かんした。
また保護者の一人で、市内ですし店を営む方から、ものを作って販売することについて話を聞いた。製造では失敗したら商品にならないので失敗は許されないこと、販売ではお客さんに元気にあいさつすることが大切というアドバイスをもらい、児童からは「作る人の責任は重大だと分かった」、「あいさつをちゃんとしたい」などの感想が挙がった。
ものに愛着を持ち感謝する心を育てる
2年生は道徳の授業で、落としものについて考えた。クラスでは落としものが多く、ものを大切にする意識の低い人もいるため、「お父さんやお母さんが大切なお金で買ってくれたのだから、使いきるまで大切に使おう。使い終わったものを捨てるときも、ありがとうという感謝の気持ちを持てるようになろう」と呼びかけ、意識を高めた。
このほか同小では、全学年で自問清掃(せいそう)に取り組んでいる。そうじをしながら自分との対話を通して心を整え、よごれているところがないかや、困っている友達がいないかなどに気づき、進んでみんなのために行動できるようになることを目指す。「児童にはお金をふくめた『ひと・もの・自分』を大切にする意欲を高め、健全な価値観と消費者としての行動意識を身に付けてほしい」と、教頭は話している。