龍ケ崎市/龍ケ崎西小学校
創立のころから続く伝統行事「おいしい龍西米を作ろう」
龍ケ崎市立龍ケ崎西小学校では5年生が毎年、総合的な学習の時間「おいしい龍西米を作ろう」の学習の一つとして、学校のとなりにある田んぼで、田植えと稲(いね)かりを体験している。「創立当初から40年ほど続く本校の伝統行事。地域との連携(れんけい)による豊かな心の育成にも役立っている。末永く続けていきたい」と校長は話す。
稲かりから脱穀まで3班でローテーション
当日は9時半に活動開始。軍手・長ぐつ姿で集合した子どもたちは3班に分かれ、前日までの雨で水が残った田んぼに入っていった。稲かり班は手にした鎌(かま)の刃(は)を株の根元に当て、手前から順番にかっていく。かった稲の束は、稲運び班がかかえて運び、校長先生にわたす。そのとなりには地元の農家さんが待機、受け取った稲をコンバインで脱穀(だっこく)し、もみとわらに分けてくれる。わら運び班はコンバインから出てきたわらをかき集め、田んぼにもどしていく。
子どもたちは楽しそうに働きながら、作業を重ねるごとに上達。「稲をななめにして切ると簡単に切れることが分かった。稲かりは幼稚園でもやったが、そのときより成長して力が強くなったのと、コツをつかんだことで早く収穫(しゅうかく)できるようになった」、「コツをつかんだから楽しかった。力の入れ方が重要だと改めて思った。みんなが協力したので、たくさん収穫できた」などの感想が聞かれた。
働くことの大切さとありがたさを学んで
この「田植え・稲かり体験活動」は、市の「令和6年度子どもが主役!魅力(みりょく)ある学校づくり推進事業」の一つとして行われた。「活動を通して、協働してみんなで一つのことに取り組む意識を養ってほしい。ふだん食べているものの背景には、農家などたくさんの人たちがたずさわっている。その人たちの苦労を実感することで、ありがたみや感謝の気持ちを育んでほしい」と校長。
「田植えや稲かりの経験がある子は少ないので、少しでも身近に感じてもらおうと、米のことを知る調べ学習もした」と、担任の先生。米の育て方や品種のちがい、米を使った日本や世界の料理など、各自が関心あることについて調べ、タブレット端末(たんまつ)を使ってプレゼンテーション資料にまとめた。後日、稲かり体験のふり返りと合わせて、グループごとにみんなの前で発表する予定だ。
収穫した米は「龍西米」と名付け、家庭科の調理実習のときにたいて食べるほか、ほかの学年にも配って喜ばれている。自分たちで収穫したせいか、格別おいしく感じられるそうだ。