取手市/永山小学校
学習ツールとしてのタブレット端末
工夫をしながら効果的に授業で活用
取手市立永山小学校では、GIGAスクール構想により1人1台配付されたタブレット端末(たんまつ)を積極的に活用しようと、若手の先生が中心となり、アイデアを出し合っている。授業中、子どもたちは机の上に置き、資料を見たり、自分の考えを書きこんで友達と共有したりするなど、学習のツールとして大いに活用されている。
資料や意見を共有しグループで話し合う
夏休みが明けた9月はじめ、3年生の社会科では、市内にあるビール工場を取り上げ「おいしいビールをつくるために工場はどんな工夫をしているのか予想しよう」をテーマに授業が行われた。先生はヒントとなる3枚の写真を電子黒板に提示し、子どもたちのタブレット端末にも同様の写真を送った。自分のタブレット端末の画像を見ながら考えている子どもたちに、「注目するところを丸で囲んでみて」と先生。画面をタッチして指で丸をつけたり、図形の丸を使って囲んだりしたら、自分の考えをタイピングしていく。その後、それぞれの考えを4~5人のグループで共有し、他の人の考えを見ながら話し合いを行い、グループの考えをまとめて、クラスみんなで共有した。
学習意欲を高め授業の効率化を図る
2年生は夏休みの思い出を発表する授業。子どもたちは夏休みの思い出を絵日記に描(か)いたものをタブレット端末に取りこみ、電子黒板に映しながらみんなの前で発表した。
また5年生は「ネットやSNSにはどんな写真なら公開してよいのか」を考える授業で、先生が数枚の写真を提示し、各自が自分のタブレット端末で公開してよい写真、公開しない方がよい写真に分類してその理由を書きこんだ。
タブレット端末を使えば資料をプリントして配布する手間が省けるだけでなく、写真などの画像を拡大できるため、細かなところにも注目できる。他の人の考えも瞬時(しゅんじ)に見られるため、話し合いにもスムーズにうつることができ、効率的に授業を進めることができる。またノートに文字を書くことが苦手な子でも、タイピングなら文章が書けたり、文字や画像で視覚的にとらえることで、より理解を深めることができたりするなどの利点もあるという。
有効に活用して学習ツールの一つに
タブレット端末は毎日持ち帰り、宿題にも活用。課題の問題を解いたりするほかにも、家庭で作った料理の写真や、ダンスの練習を動画にとったりしている。また連らく帳の代わりに、先生が連らく事こうを子どもたちのタブレット端末に送る試みも始めている。
「これからもタブレット端末ならではの有効な使い方を見つけ、いろいろな授業でどんどん活用して、子どもたちにとって当たり前の学習ツールにしていきたい」と情報教育主任で5年生担任の先生。情報教育担当のほかの先生たちともアイデアを出し合い、授業の効率化が図れ、子どもたちの学習意欲が高まる活用方法を考えている。調べ学習をしたり、意見を共有したり、写真や動画をとったり、発表資料を作ったりするなど、学年が上がるにつれ子どもたちのスキルもアップし、タブレット端末は学習ツールの一つになりつつある。