つくばみらい市/小絹小学校
田植え体験で農家の苦労を実感 作業を通して米づくりに興味を
つくばみらい市立小絹小学校の5年生88人は5月19日、市内の古瀬地区にある水田で田植え体験をした。あいにくのくもり空と強風に見まわれたが、子どもたちはどこふく風。待ちに待った恒例(こうれい)行事に遠足気分で楽しんだ。水田地帯が広がる地域がら、体験を通して米づくりに興味を持ってもらいたいとのねらいもある。
はだしで田んぼにどろだらけで作業
5年生は「行ってきます」と元気に学校を出発。大通りを横切り住宅地をぬけ30分かけて田んぼに到着(とうちゃく)すると、長年にわたり小絹小の米づくりに協力している地元のNPO法人「古瀬の自然と文化を守る会」のメンバーが出むかえた。
メンバーから「苗(なえ)の束から3本から5本ちぎり、2、3センチの深さで土にさす」と植え方のレクチャーを受けた子どもたちは、クラスごとに整列し、はだしで田植えに挑戦(ちょうせん)した。
「ぬるぬるする」と慣れないどろの感しょくに声を上げたり、足を取られ思うように進めなかったりする子どもの姿も見られたが、苗が等間隔(とうかんかく)になるよう目印のひもに沿って慎重にコシヒカリの苗を植えていた。子どもたちは約2時間かけて千平方メートルの田んぼのうち半分ほどを終えた。
手足をどろだらけにして作業した女子児童は「田植えは、こしを低くしないといけないから大変だと思った。稲(いね)かりが楽しみ」と期待をふくらませ、男子児童は「稲を植えてどうなるんだろうと想像して楽しかった。おいしくなってほしい」と笑顔を見せた。
完全無農薬の田んぼを管理し、苗の準備から精米まで協力している「古瀬の自然と文化を守る会」。事務局長が小絹小のPTA会長になったのがきっかけで1993(平成5)年から米づくり体験を始めたという。事務局長は「共同作業なので、となりの人がどういう作業をしているのかを見ながら、フォローや気配りができるようになればいい」と子どもたちを見守っていた。
自らの手でかり取り体験活動を大切に
米づくりの盛んな地域を学習する社会科や調理実習などで食育を学ぶ家庭科の授業の一環(いっかん)として、毎年5年生が同会のメンバーの手ほどきを受けながら一連の作業を体験する。今年は、10月に稲かり、11月には脱穀(だっこく)作業収穫(しゅうかく)祭を行う。さらに、12月には新潟県で開かれる米のおいしさや品質を競う国際コンクールに初めて応募(おうぼ)する予定という。
校長は「米づくりに限らず、教室の学習と並行して、体験活動を充実(じゅうじつ)していくことが大切」とし、「タブレットの動画を見て具体的にやったつもりにはなるが、実体験したものは記おくにも残るし、いろいろなときに引き出されて役に立っていく。何より子どもたちが喜んでいた。共に行動するというのは貴重な体験」と話した。