守谷市/高野小学校

小学生新聞

「赤っ腹」の伝統を受けつぎ 主体性やチャレンジ精神を育む

 5月に創立150周年をむかえる守谷市立高野小学校。長年地域の人たちに親しまれてきた学校には、今でも昔の伝統が残っている。それが昨年11月に行われた「赤っ腹まつり」。子どもたちは「赤っ腹(あかっぱら)」の由来について学び、高野地区の先人たちに思いをはせた。また150周年にちなんで今年度は「チャレンジ150」に取り組み、「赤っ腹」の子どもたちは、昔の人に負けないチャレンジ精神を育んでいる。

高野の歴史を知る赤っ腹まつり

 昨年11月25日(土)に開かれた「赤っ腹まつり」。開会セレモニーでは、お腹に赤い腹かけをつけ頭にカッパのお皿をのせた運営委員が登場し、「赤っ腹」の由来について説明した。昔の守谷は四つの地区に分かれて連合運動会を行っていたが、赤い腹がけをした高野地区がとても強く、水泳学習でも赤い腹がけをした高野地区はとても速かった。高野地区のシンボルともいえる赤い腹がけが、いつしか「赤っ腹」と呼ばれるようになり、まつりの名称になったという。

 「赤っ腹まつり」の第1部は学習発表会。学年ごとに合唱や合奏、朗読、ダンスなどを披露(ひろう)し、6年生はクイズを交えた歴史グループ発表で会場を盛り上げた。第2部はPTA主催(しゅさい)で、保護者や地域の人がブースを用意。輪なげやスーパーボールすくい、工作、ダーツなどさまざまな出し物を楽しんだ。

達成感を自己効力感へ チャレンジ150

 今年度、とくに目標としてきたのが、子どもたちの自己効力感、自己有用感を高め、主体性やチャレンジ精神を育むこと。そこで150周年にちなんで「チャレンジ150」に取り組んできた。どんなことでもいいから150達成しようと4月に全校児童に呼びかけ、自分で目標を決めてチャレンジしてきた。自主学習150日や読書150冊をはじめ、ピアノの練習、なわとび、サッカーなどのほか、ニュースを見る、あいさつ、人助けなど内容はさまざま。取り組めたときには150マスのカードにチェックを入れ、150マスすべてを達成できたら校長先生に報告すると、校長室で表しょうしてもらえる。

 「『心のこもったさわやかなあいさつをする』という目標を立て、毎朝笑顔であいさつをしてくれた2年生の子に元気をもらった」と校長。「がんばって続けてやりとげたという達成感を味わうことが、自己効力感や自己有用感を高めることにつながる」と、年度末までに全員が達成できるよう呼びかけている。

子どもたちが発案し能登に届ける募金活動

 「チャレンジ150」の取り組みは子どもたちのやる気を引き出し、アンケートでも「チャレンジしようという気持ちが高まった」と答えた児童が9割近くになった。また、能登半島地震(じしん)の後には子どもたち自らが発案し、運営委員とボランティア・栽培委員が中心となって募金(ぼきん)活動を開始。ポスターを作ったり、放送などで呼びかけたりして募金を集め、守谷市社会福祉課を通じて被災地に寄付した。

 5月にはいよいよ150周年をむかえる同小。子どもたちから募集(ぼしゅう)したデザインで制作する壁画(へきが)アート、150周年記念オリジナルソング、航空写真の撮影(さつえい)などを予定している。長い伝統に支えられている同小では、これからも先人たちの精神を引きつぎ、主体性やチャレンジ精神のある子どもたちが育っていくことだろう。