つくばみらい市/富士見ヶ丘小学校
指導力の向上と地域人材の活用
みんなの力で子どもたちの成長支える
創立5年目のつくばみらい市立富士見ヶ丘小学校は、つくばエクスプレス沿線に位置し、年々児童数が増える活気あふれる小学校だ。組織目標は「探究心をもち、主体的に考え、行動する児童」の育成。国語の指導力向上に力を入れるほか、地域人材の活用にも積極的に取り組む。家庭、地域と手をたずさえて、子どもたちの学びと成長を支えていく。
学習の手引きで国語力アップ図る
同小では昨年度から市の研究指定校として、教員の国語指導力の向上に取り組んでいる。その工夫の一つが、子どもたちが主体的に学習できるよう、先生が学年や教科ごとに工夫して作る学習の手引きだ。中でも国語では表現力や思考力にかかわる部分に力を入れている。例えば2年生の「説明文」の項目では、「何についてせつめいしているかを考えながら読む」「しゅ語に赤線、じゅつ語に青線をひいてみる」「文しょうを大きく三つに分ける」など、子どもたちの目線から具体的でわかりやすく解説している。校長は「国語力はすべての教科の基礎(きそ)。探究心や主体性を育むためにもまずは言語能力を高めて教科横断的な力を身につけさせたい。そのために手引きを活用してできるだけ多くの授業実践(じっせん)に取り組んでいきたい」と力をこめる。
地域人材の力学校活動に呼びこむ
また同小が今年度力を入れるのが、地域人材の積極的な活用だ。先生が授業や教材研究に集中する時間を確保するために、これまでの業務を見直すとともに、保護者や地域の人との連携(れんけい)をさらに進める予定だ。同小のあるつくばエクスプレス沿線の新しい街は、多様なスキルをもつ人材の宝庫であり研究機関も多い。その力を子どもたちのために発揮(はっき)してもらおうと、現在、PTAと連携してボランティアの人材バンク制度を立ち上げる準備を進めている。プログラミングの授業から家庭科のミシン指導まで、さまざまな分野で積極的にかかわってくれる人と力を合わせ、子どもたちの学校生活を充実(じゅうじつ)したものにしていきたいとする。
横のつながりつくり協働的なかかわり促進
校長は「コロナ禍(か)の2年間は、オンラインでは個別での取り組みはできても横のつながりをつくることが難しかった。ようやく感染状況(じょうきょう)も落ち着いてきたことから、感染対策に留意しつつ、子どもたちにいろんな体験の機会をあたえたい。5月末には修学旅行や校外学習も行う予定なので、先生や友達と協働するかかわりを促進(そくしん)していきたい」と話す。さらに「子どもたちの横のつながりを強めるためには、学校と家庭、地域とのかかわりが不可欠。みんなの力で子どもたちを成長させたい。この学区は新しい地域で、保護者や地域のみなさんも学校教育への関心が高い。共に新しいスタンダードを作り、開かれた学校にしていきたい」と展望を語った。