つくばみらい市/伊奈小学校

小学生新聞

北海道の小学校とオンラインで交流 心が通いあい、笑顔の花が咲く

 つくばみらい市立伊奈小学校は、江戸時代の探検家で測量家の間宮林蔵に深いゆかりがあり、毎年、4年生は校外学習で間宮林蔵記念館を見学に訪れる。2023年度はさらに、同じく間宮林蔵にゆかりを持つ北海道稚内市の大岬小学校とオンラインでの交流授業も開かれた。両校の児童たちは調べたことをおたがいに発表しあったり、自分たちが暮らす地域についての紹介や質問をしあったり、実りの多い時間を楽しんだ。

共通点が交流を生み いきいきとした学びを

 間宮林蔵は18世紀後半につくばみらい市(旧伊奈町)で生まれ育ち、北海道を探検しながら測量を行い、間宮海峡の発見や北海道の北側にある樺太が島であることを証明するなどの功績をあげた偉人だ。郷土にある伊奈小と、樺太探検の出発の地である稚内にある大岬小には、ともに間宮林蔵の像が建てられている。その縁をもとに、直線距離にして1000キロ以上もはなれた両校は2月22日にオンラインで結ばれた。

 交流授業に参加したのは、両校の4年生の児童たち。それぞれ事前に調べたことを資料にまとめて発表しあうことで、学びがより深まり、準備の時間を通して探究心やプレゼン能力が育まれるという効果もあった。

新しい友だちと出会い 地域の個性を学ぶ

 交流授業では地域について紹介しあう時間も設けられ、伊奈小の児童たちは福岡堰の桜や市のイメージキャラクター「みらいりんぞう」のことなどを発表した。一方、大岬小の発表ではカメラが校庭に向けられ雪が降る様子を見せてくれる場面もあり、「茨城ではそんなに雪が降ったら学校は休みになる」「北海道では体育の時間に雪あそびをする」などと、地域性のちがいについての話題でも盛りあがった。

 児童からは「この交流が実現できたのも間宮林蔵がいたから」「ゆかりの地である伊奈小で学習できることがうれしい」などの感想があがり、当日の給食では特別に稚内市のホタテをつかったシチューが出されるという粋なはからいもあった。

温かな心が集い 大輪の笑顔の花が咲く

 伊奈小ではほかにも「人とのつながり」を感じられる取り組みに力を入れており、毎年いじめゼロ集会を開いている。各学年によるスローガンの作成に加え、2023年度は児童委員会の発案で「スマイルフラワープロジェクト」が行われた。これは、友だちからの温かい言葉や手助けなど、うれしかった経験やすごいと感じた行動を花のかたちの紙に書いて集め、大きな花を咲かせるというもの。活動を通して、やさしい言葉や行動が心を温かくすることを改めて実感できたと話す児童も多く、笑顔の花はますます大きく育っていくだろう。