守谷市/黒内小学校

守谷市黒内小

大規模校に対応した「令和の黒内型学校教育」を実践

児童数の増加が著しい守谷市立黒内小学校。昨年3月に新校舎が完成し、ハード面が整備されると同時に、今後の過大規模校化をふまえた持続可能な「令和の黒内型学校教育」に取り組んでいる。市が進める学校教育改革プランを自校化し、ICT機器を積極的に活用して、「豊かな心をもち、自ら行動できる子の育成」を目指している。

タブレット端末の活用

 子どもの可能性を引き出す個別最適な学びと、探求学習や体験活動を通じた協働的な学びの実現を目指す「令和の日本型学校教育」を基盤(きばん)とした「令和の黒内型学校教育」。大規模校でも対応できるよう、ICTを有効に活用しながら学習に取り組んでいる。

 「個別最適な学び」に欠かせないのが1人1台のタブレット端末(たんまつ)だ。守谷市では学校で使用するデジタルノートアプリや学習アプリを統一し、1年生から端末を日常的に使用しているが、同小でも学習アプリを使って自分のペースで学習を進め、協働学習の場面では、各自が調べたことや考えを画面上で共有して学びを深めている。

 また子どもたちの学習の記録は各自のフォルダに保存。図工や書写の作品も教室やろう下に掲示(けいじ)せずに各自がタブレットで撮影(さつえい)し、クラウド管理して友達同士で鑑賞(かんしょう)したりする。端末は毎日持ち帰り、家庭学習や連絡(れんらく)手段としても活用。日々の連絡や配布物、欠席連絡などできる限り電子化し、ペーパーレス化に取り組んでいる。大規模校ではICTを用いることは必須(ひっす)であり、保護者の協力のもと実現してきた。

文部科学大臣が視察

 「児童数が多くても一人ひとりを大切にし、血の通った日本型教育を実践(じっせん)していきたい。そのためにICTを有効に活用することが重要で、端末があるからこそ個に応じた学びや指導ができている」と話す校長。

 ICTを積極的に活用した取り組みが注目され、昨年9月には永岡桂子文部科学大臣の視察も受けた。画面を共有しながら話し合いをする子どもたちを、「ここまで使えるんですね」と感心した様子で見守っていたという。

密集しないための工夫

 同小では、子どもたちが密集しないよう時差登校をしたり、休み時間に広く安全に校庭を使えるよう学年ごとに日課をずらしたりして工夫している。清掃(せいそう)は共用部分を交代で行い、清掃がない日は昼の時間に行っている「スタディタイム」を延長する。「スタディタイム」ではドリル的な学習や個別指導を行い、基本的に宿題は出さないなど、時間を有効活用している。

 過大規模校化を見すえて持続可能な学校経営に取り組んでいる同小。「人数が多いという特色を強みに変えて、今後もICTを活用した主体的、対話的、探求的な学びに取り組んでいきたい」と校長は話した。