龍ケ崎市/教育委員会

小学生新聞

授業改善を目指して 算数と道徳の夏季研修講座を開催

龍ケ崎市では7月25日(火)、令和5年度の夏季研修講座を行った。算数では、子どもたちがつまづきやすい割合や小数・分数のかけ算・わり算などの単元について、数直線図に代わる「割合テープ図」を使った解き方を紹介(しょうかい)。特別の教科道徳では授業動画の視聴(しちょう)のほか、グループで各校の取り組みなども協議し、情報交換(こうかん)した。  

「割合テープ図」で 数量関係に強くなる

市では、毎年行われる「全国学力・学習状況調査」の結果を分析(ぶんせき)したところ、割合や小数・分数のかけ算・わり算などの単元が課題として挙げられた。つまづきの原因の一つは数直線図だ。教科書ではこれらの設問を数直線図を使って考えさせるが、量感のイメージがつかみづらかったり、基準量と比較(ひかく)量の区別がつかず、式を立てるときに数字を入れまちがったりしやすい。

そこで講師の大貫指導課長補佐が提案するのが割合テープ図だ。割合テープ図には目盛りが10等分で刻んであるため、比率が見た目に分かりやすい。また、考えを示す矢印を書き入れることで、それぞれの数量の関係が見え、「1を500にするには500をかければいい。ならば『?』の値を求めるには0・4に500をかければいい」などと、式の立て方が分かる。学年や単元をまたいで使え、また、割合テープ図を使っていると自然に数直線図に慣れてくることも利点だという。  

参加者からは「児童の課題がどこにあるのか見通せ、それに対する支援(しえん)の仕方を学ぶよい機会になった」、「割合は子どもが一番苦手な分野。割合テープ図は納得して解くことができ、有効な手立てだと思う」などの感想が聞かれた。

道徳科の授業案など 話し合って共有  

道徳のグループ協議では、各校の情報交換が行われ、中根台中学校の教諭からは学びの一覧化と、ローテーション授業に関する発表があった。  

同中学校区では小中一貫(いっかん)の取り組みの一つとして、掲示(けいじ)板の道徳コーナーの内容を統一している。板書を記録した「学びのあしあと」などがそれで、こんな学習をしたとふり返ることができ、また、各校とも慣れ親しんだ形でスムーズに小小・小中連携(れんけい)が図れる。  

ローテーション授業は、校内で道徳の授業の日時を合わせ、教員たちが学級を交換して教えるもの。一つの教材で複数の学級を教えることができるため教材研究が深まり、子どもたちに考えさせたいことをしぼりこんで取り組める。  

講師の山中指導課長補佐は「よい情報交換ができた。他校の取り組みを知って自校に取り入れたり、自分なりにアレンジを加えたりすることもできる。今後も話し合いの機会を持ち、各中学校区でいっそう推進していただきたい」と話している。