取手市/教育委員会

専門家による包括的性教育「性と生命(いのち)の学びプロジェクト」
取手市では今年度から、市内の全小中学校で「性と生命(いのち)の学びプロジェクト~子どもたちのいのちと未来を守る包括的性教育~」に取り組んでいる。専門家講師による発達段階に応じた性教育を通じ、性被害・性加害の未然防止につながる力を育成することを目的に、小学1・4・6年生、中学1・3年生を対象に行っている。7月23日(木)には県外から視察も訪れ、取り組みについて指導課の指導主事などが説明した。
リスク回避のために正しい性の知識を
取手市では、以前から専門家を招いて、性と生命について学ぶ「いのちの授業」を学校ごとに行ってきた。その学習を市内の全小中学校で一律に学べるよう、教育委員会の取り組みとして今年度より「性と生命(いのち)の学びプロジェクト」へと移行した。近年、性に関する事案の低年齢(ねんれい)化やSNSの普及(ふきゅう)により、子どもたちの性に関するリスクが高まっているため、専門家から発達段階に応じて体系的に学び、正しい知識を得ることが早急の課題であると同プロジェクトの導入を決めた。
発達段階に応じて性といのちを学ぶ
包括(ほうかつ)的性教育とは、人権教育を基本として、性的同意や性の多様性、ジェンダー平等などはば広いテーマを体系的に学ぶ教育のこと。同市の取り組みでも、子どもの発達段階に合わせて、性に関する知識とともに、心と体の変化や自分も相手も大切にするあり方などを学び、自分と相手の心・体・プライバシーを尊重する態度を養うことで、性被害・性加害の未然防止につながる力を育むことを目的としている。
1年生では生命の誕生について学び、赤ちゃん人形を抱いて生命の尊さを実感するともに、人を大切にする心を育む。また性被害を防ぐプライベートゾーンについても知る。4年生では思春期の体の変化について学び、性の多様性、人権などについても知る。さらに6年生では大人になるということをテーマに、心と体の変化や責任、ルール、マナーについても学ぶ。さらに中学校では、生殖(せいしょく)や妊娠(にんしん)の知識だけでなく、人間関係と性的行動をテーマに正しい情報を提供し、だれかに相談できる環境(かんきょう)づくりにもつなげている。
自分も他者も大事にし尊重できる人に
センシティブな内容であるため、事前に子どもたちに無記名のアンケートを行い内容を精査したり、保護者にも周知したりするなど慎重(しんちょう)に取り組んでいるが、子どもたちは真けんに授業に参加し、保護者からは「大人の自分でも知らないことがあった。知られてよかった」など、好意的な意見が多く寄せられている。指導課長は「包括的性教育は人権教育。自分も他者も大事にし、尊重できる子どもたちを育みたい」と期待している。

